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治療について

痛みを伴う病についてご説明いたします。
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五十肩

激しい痛み、薬でほぼ解決

近所の酒屋さんが、右肩が痛いと来院しました。昨晩、寝ている時に痛み始め、朝には服を脱ぐこともできなかったそうで、寝巻きのままです。お話から「どうも五十肩のようです」と言うと、「今年還暦になのに・・・」と、付き添っている奥様。「男性の平均寿命が77歳の時代、五十肩の年齢も少し伸びたようですね」と説明します。
五十肩は関節の老化現象の一つで、一番ポピュラーな整形外科の疾病です。ここ10年ぐらいの間に治療法も随分と進歩しており、激しい痛みは「軟骨保護薬」の関節内への投与により、ほぼ克服できるようになっています。この薬は治療にかかるのが早ければ早いほど効果を発揮するため、治療が遅れると、人によっては痛みがなくなるまでに2〜3年かかることもあります。すぐに来院したこの酒屋さんは、数日で痛みが消えました。
五十肩の診断の前提となるのはレントゲン撮影ですが、変形した関節面があった場合は、理学療法を基礎とした、かなり慎重な治療が必要になります。肩の拘縮を粗暴なマッサージなどで無理やり取ろうとすると逆効果ですので、まずレントゲン撮影による正しい診断を受けましょう。
また、五十肩は積極的に動かさなければ、関節周辺の筋肉や骨、軟骨の血流障害により、関節の拘縮を起こしてきます。予防や予後のための体操はかなりの効果が期待できますので、毎日続けてください。

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変形性膝関節症

肥満を避け、いすの生活で予防

初老の太り気味の女性、O脚がひどく、状態を左右に揺すりながら痛そうに診察室に入ってきます。変形性膝関節症が進行した状態です。この病気は、下肢の痛みで整形外科を訪れる患者さんの中で一番多い病気です。レントゲンを撮ると、膝の内側で軟骨と骨がすり減り、隙間が狭くなり、骨の縁がトゲのように出ています。
「変形性」という病名だけで、老化だから仕方ないと諦めてしまう人もいますが、それは大変な考え違い。予防しようと意識して生活するだけで、痛みや病気の進行を、かなり抑えられます。この病気の本当の原因は未だ判っていませんが、老化や肥満、膝の使いすぎが、この病気を悪くすることは間違いありません。ですから、予防のためには下肢の筋力を強化し、肥満を避け、いすとベッドの生活に変え、階段は控えることが大切です。
病気の初期では、立ち上がりや歩き始めに痛みがあっても、歩き出すと痛みが消えるのが特徴です。病状が進むと、痛みでひざが曲がらない、階段が降りられない、長く歩けないなど、生活が制限されてきます。痛みが続いたり、強くなるなら早めに整形外科を受診しましょう。病気の程度に応じた適切な治療が必要です。
痛みが軽い頃なら、消炎鎮痛剤、外用薬、ヒアルロン酸の関節内注射で痛みが取れます。大腿前面の筋肉を強化する訓練も有効です。痛みが続くなら、膝の固定装具やO脚を矯正する足底板を使います。変形が強く、治療効果がみられない人には、下肢を真っ直ぐに矯正する骨切り術や人工関節置換術を薦めます。

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腰痛

椎間板を守る日常動作を

腰は、5つの椎体(骨)とそれをつなぐ椎間板(軟骨とかクッションとか呼ばれています)で成り立っています。椎間板は20歳を過ぎると水分が失われ始め、老化が始まります。ほとんどの腰痛の原因は椎間板の老化によるものです。
椎間板は一度障害を受けると元に戻りません。レントゲンで椎間板が傷んでいるという診断が出たら、常日頃から負担をかけないよう気を付けましょう。例えば中腰で物を持ち上げることは非常な負担となりますので、膝を折って引き寄せて持ち上げます。立って仕事をするときは10〜20cmの高さの台に片足を乗せる、うつ伏せで本を読まない、仰向けで寝る時は軽く膝を曲げる、ベッドをやや硬めにするのも椎間板保護のために大切です。腹筋、背筋の強化をすること、ストレッチ体操も必要です。癌の転移や骨折による腰痛もありますので整形外科で診察を受けてください。
中年から高齢者に最も多い椎間板障害による疾患は、腰部脊柱管狭窄症です。しばらく歩くと腰、太もも、ふくらはぎが痛くなったりしびれたりしてきますが、しゃがむと楽になるというのが、一般的な症状。日ごろのケアとしては、側臥位でエビのように丸まって休む、歩くより自転車に乗る、コルセットをつけるなど。それでも痛みが取れないときは、日本整形外科学会認定の専門医でブロック注射を受けると劇的に痛みが取れます。

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骨粗鬆症

あなたの骨は大丈夫?

桃太郎、一寸法師、竹取物語。昔話に出てくるおばあさんは、たいてい腰が曲がっていましたね。おそらく骨粗鬆症によって背骨がもろくなり、背骨がつぶれてしまったと考えられます。今では骨粗鬆症は、病気として広く一般に知られていますが、十数年前までは医師の間でも単なる老化と考えられていました。
骨粗鬆症の「鬆」には「ゆるい」「すきまが開いている」などの意味があります。さらに「す」(ゴボウなどの芯に生じる穴)という意味もあります。つまり骨のカルシウムが減って、すかすかになった状態です。原因には人種、性差、食事、遺伝、運動などいろいろあります。特に閉経後の女性に起こりやすいと言われていますが、男性にも起こります。最近は、骨密度を測る骨塩定量装置が普及し、簡単に骨密度が測れます。また骨の新陳代謝も血液や尿で分かりますし、骨密度を増やすよいお薬もできています。
骨粗鬆症で一番困るのは骨折です。背骨、手首、肩の近くの腕の骨、太ももの付け根の骨が折れやすくなります。予防には食事と運動が大事。カルシウムは最低でも1日600mgとってください。牛乳やヨーグルトなどの乳製品、豆腐やおあげなどの大豆製品、ゴマ、小松菜、イワシなどの小魚、ヒジキなどに多く含まれています。
1日8000歩を目安に歩くのもいいでしょう。転ばないように筋肉を強くする運動を続けてください。そして年に1〜2回は整形外科を受診し、骨密度を測定しましょう。

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肘と手首の痛み

甘くみず、整形外科へ

つい無理をしたわけでもないのに、ある日物をつかもうとすると、突然肘の外側に激痛が走った、腕を伸ばしてやかんが持てない、タオルが絞れないなどという経験をしたことがありませんか。 いわゆる「テニス肘」と呼ばれる症候群で、手首を反らす筋肉の起始部の疲労や炎症、変性などで発症します。大方は、安静にしたりサポーターや薬などで鎮まりますが、利き腕で力仕事をしなければならない人にとっては大変なことで、手術が必要な場合もあります。 手首の痛みでは、親指の付け根に当たる部分がうずくように痛むというケースをよく経験します。「デケルバン病」とも呼ばれ、料理上手で包丁さばきのうまい人や、新米のお母さんなどがよく発症します。 親指を伸転させたり、外転させる腱の使いすぎによる通過障害が原因で、親指を内にして拳を握り、手首を小指側に曲げると激痛が走るため、自己診断が可能です。こちらは局部の安静や薬、注射で治まります。しかし再発も多いので、中年以降の人には手術を勧めています。手術は5分程度の簡単なものです。 大工さんや石屋さんなどでも職業病としての肘や手首の痛みがあります。肘の場合は、強い振動工具やハンマーを長時間使うことで肘の軟骨が変性し、骨棘ができるケースが代表的です。「変形性肘関節症」で、痛みと同時に、間接の動きが制限されてきます。 一方、手首にはキーンベック病が見られることが多いようです。「月状骨」と呼ばれる手首にある小さな骨の血流が止まり、壊死を起こしてくる病気で、早期に治療しないと骨がつぶれてしまいます。 肘や手首の痛みを軽くみず、一刻も早く近くの整形外科医に相談してください。きっとよい結果がもたらされるはずです。

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「首いた」と「肩こり」

日ごろから筋肉の強化を

首筋や肩の筋肉が痛んだり、緊張して首が回らなくなった状態を讃岐の方言で「ケンビキ」といいます。ケンビキが起こる首から肩にかけては、第1頚椎から第7頚椎まで7個の首の骨と、18種類もの筋が後頭部や鎖骨などに付いて、重い頭を支えるとともに、首を回したり、傾けたりといった動作を行っています。よく「何もしないのに肩がこって困る」という人がいますが、こうした多くの筋肉が無意識のうちに働いて正しい姿勢を保っているわけで、筋肉の働きが弱い人は容易に首筋や肩の痛みを起こすのです。
頚肩部の痛みは、朝は比較的軽いのですが、夕方になるにつれてひどくなり、頭重感、吐き気、めまいを感じたり、目がかすんだりすることがあります。これらを予防するため、日頃から頚肩部の血のめぐりを良好に保ち、筋力の強化に努めなければなりません。長時間の根をつめた仕事を避け、体操や散歩などで気分転換を図り、よく入浴して首や肩を温めて心身をリフレッシュするよう心がけましょう。
それでも痛みがとれなかったり日常生活に困るときは専門医へ。痛み・炎症を抑える薬や筋の緊張を緩める薬の投与と、温熱療法、筋力増強を兼ねたマッサージなどで多くの人は治ります。症状が長引くときは、痛みを感じる部分に局麻剤を注射する方法もあります。しかし、痛みがさらに頑固に続き、首から腕や手に走る場合や発熱を伴う場合は要注意です。頚椎の腫瘍や椎間ヘルニアなどの重症疾患が疑われますので、きちんと検査を受けましょう。

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手指のしびれと痛み

先生、手がしびれるのですが

「先生、手がしびれるのですが、脳梗塞ですか?」。政界やスポーツ界の有名な方が脳梗塞をおこすと、心配して外来に来られる患者さんが増えます。ジンジン、ピリピリ、イジイジ、しびれがきたような、虫が這うような、人の手のようなとしびれの表し方も人それぞれです。
しびれの原因には、脳梗塞や出血、腫瘍などの脳の障害、頸の骨の中を通る脊髄の障害、頸の脊髄から出た神経がわきや肘を通り、指にたどり着くまでの末梢神経の障害があります。脊髄障害では、頸の骨にできた軟骨や椎間板ヘルニアがあります。末梢神経の障害では以前の肘や手首の怪我や骨折、さらに骨の変形などにより神経が圧迫される病気があります。
いつ頃から、どの指に、どのようなしびれがあらわれて、しびれが進行しているかどうかが大事なことです。整形外科を受診するときにはこの事を書き留めておくのが良いでしょう。
「先生、手の指が痛いのですが、リウマチですか?」。この質問もよく聞きます。指の痛みで多いのは爪に近い関節の関節炎です。中年の女性に見られ関節が腫れてきます(へバーデン結節)。親指の付け根の関節も変形して痛みが出ることがあります。また、指の使い過ぎから来る腱鞘炎や関節炎もあります。関節リウマチは指の関節の痛みだけでは診断できません。他の関節の症状やレントゲン、さらに血液検査も必要ですので、ぜひ整形外科を受診して下さい。

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坐骨神経痛

しびれ+痛みは要注意

腰痛だけなら様子を見ている人も多いと思いますが、太ももやふくらはぎに痛み、しびれを伴うようになると要注意です。これを坐骨神経痛と言い、腰椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が原因として考えられます。
腰椎間板ヘルニアは、20〜50歳代前半に多発しますが、近年スポーツ活動が盛んになったため10歳代後半にも増加しています。繰り返し腰に負担をかけたことが最も多い発症の原因で、不用意に重い物を持ち上げた時に発症することもあります。
腰部脊柱管狭窄症は、50歳代後半〜70歳代に多く、腰椎の脊柱管が加齢現象で狭くなり、その管を通過する馬尾や神経根が圧迫されて起こります。
ヘルニアでも脊柱管狭窄症でも、痛みが強い時は膝下に布団を挟み込んだり、側臥位姿勢で休むのが原則。日常生活における動作にも工夫が必要です。それでも痛みが取れない時は、トリガーポイント注射や硬膜外ブロック注射が効果的。日常生活に支障が出る時は手術も考えなければいけませんが、ヘルニアが吸収されることがMRIで認められた事もあり、気長に治療できる方は整形外科医とよく相談して、根気よく治すのもよいかと思います。
ところで下肢のしびれが起こる原因には、下肢の動脈が閉まっていたり、脳梗塞があったりなど、整形外科以外の病気も考えられますので、症状が出た時は必ず受診することが大切です。整形外科的な疾病なのか、それ以外のものなのかはレントゲンと診察で判断できます。

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椎間板ヘルニア

安静第一、気長に治療を

もう30年前も前の研修医時代。当直をしていると、頸髄損傷で壮年の男性が運ばれてきました。腕や足が麻痺しており、移動と介護を手伝ったのですが、若い身にもかなりの重労働で、当直明けとともにぐっすり眠り込みました。目覚ましの音に気づいて、体を起こそうとした時のこと、突然背中から腰部に固い板でもはめ込まれたみたいな違和感と、焼け火箸を突っ込んだような痛みが走り、ベッドからずり落ちそうになったのです。
なんとか歩いて診察を受けましたが、待合のいすに座れないほどの痛さ。立っているのがベストの姿勢です。診断の結果は、「疼痛性側弯症」。すなわち腰部椎間板ヘルニア。鎮痛剤にお世話になりながら苦渋苦難の1週間。なんとか手術は免れました、いまだに患者を持ち上げての診療、診察の際には、無理に力んでの挙上運動は控えるようにしています。
椎間板ヘルニアは、青壮年期に起こりやすく、脊髄神経の根元の部分に椎間板が裂けて飛び出し、神経に接触した状態をいいます。経験から、まず何をおいても「安静」が必要で、痛くない姿勢をとり、絶対安静を維持するのが患者の努めとさえ思っています。ただ最近は、神経ブロック(硬膜外ブロック)という方法があり、短期間で症状が緩和されることから人気があります。神経を圧迫して下肢の麻痺を残すようなら、早めの手術も考慮に入れましょう。
いずれにしても、椎間板ヘルニアの治療は、安静と固定、痛み止めの薬剤服用が基礎。突出している軟骨を脊髄神経が避けるようになるまで、気長に治療しましょう。二本足で歩く人間の最大の弱点は腰痛であり、その最大の痛みと機能障害が椎間板ヘルニアです。症状を長引かせると、痛い方の下肢筋肉が、使わないことから衰えて、障害が残ることがあります。

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腰部脊柱管狭窄症とその間欠性跛行

早めの受診が改善への鍵

立ち仕事をしていたり、しばらく歩いていたりして、足のシビレや痛みのために休息が必要な方はおられませんか?このような症状を医学的には間欠性跛行と呼びます。老年期に多い病気で、主な原因は脊柱管狭窄症という脊椎の病気や、慢性動脈閉塞症などの下肢血管が詰まる病気によって起こる症状です。今回は、間欠性跛行の6〜8割を占めるといわれる腰部脊椎狭窄症について説明します。
背骨の中には、脳から続いている脊柱管という管があり、腰の部分では馬尾神経という大切な神経の束が通っています。背骨にかかった無理のために生じる骨のズレやトゲ、軟骨、肥厚した靭帯などにより、馬尾神経が圧迫された状態が腰部脊柱管狭窄症です。背中を反らせると管がさらに狭くなり症状がひどくなります。その結果、長距離の連続歩行が困難になりますが、自転車や手押し車を使うと比較的楽に行動できます。男子トイレでは排尿しにくいのに洋式トイレに座ると楽に用が足せるようになる男性もおられます。
このような症状に気づかれた方は、早めに整形外科専門医の診断を受けましょう。症状を改善するお薬もありますし、リハビリテーションやコルセットの使用によって休まずに歩けるようになる方も多くいらっしゃいます。最近では、短期間の入院で手術も安全に行えますが、遅くなると完全に良くなることが難しくなります。

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半月板損傷

膝の痛みはまず診断

「半月板が痛んでいると言われた」「知り合いに半月版の手術をした人がいる」こういった経験はおありですか?
膝関節には上の骨(大腿骨)と下の骨(下腿骨)の間にはさまれたクッションがあり、これを半月版といいます。半月板が損傷するには幾つかの原因がある中、[1]膝をひねって捻挫する(外傷性)[2]加齢とともに半月板が変性する(自然にいたんでくる)[3]半月板が通常より大きく分厚くてねじれやすい(円板状半月といいます)の3つが代表的です。
半月版損傷の診断にはMRIが有効です。半月版は上から見ると三日月型をしていますが、MRIで前方ないし横から見た場合、三角形の断面が観察されます。
では、もし半月板が痛んでいたら、どうすればよいのでしょうか?。半月板が切れたり裂けたりすると、断裂部分が膝の中で引っ掛かって強い痛みを生じたり膝が伸びなくなったりします。これが繰り返されるようならば、関節鏡手術がお勧めです。「少し痛んでいるだけ」ならば必ずしも手術が必要なわけではありません。筋肉のトレーニングをしたり、外用剤を用いたり、いろいろな治療法があります。この点については主治医の先生とよく御相談下さい。
[1]の外傷性のなかに、前十字靭帯の断裂を合併しているものがあります。この場合は、半月版の手術だけでは根本的な解決になりません。ジャンプしたりダッシュしたり、急にターンをしたりという際に、前十字靭帯が切れたままだとグッと踏んばれないからです。日常生活の上ではあまり支障にならないのですが、スポーツを行ううえでは困りますね。思いきりスポーツを楽しみたいのであれば、前十字靭帯の再建術を行う必要がありますので、この点も整形外科医に相談してみて下さい。

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変形性股関節症

多くは女性、出産後に痛み

股関節は太ももの付け根の関節で、体重をささえ生涯酷使されますが、膝関節のように痛みを起こすことはまれで、関節面がすり減ることもありません。骨盤の丸い凹み(臼蓋)に球形の大腿骨の頭が入っただけの簡単な構造のためと思われます。しかし、赤ちゃんの時に股関節の脱臼があると、骨頭が少し外にずれ臼蓋が浅くなる異常が残ることがあります。この状態が続くと次第に関節面はすり減り、さらに骨まで壊れ、ついには骨頭がいびつに変形してしまい、痛みで歩けなくなります。変形性股関節症の原因はわが国ではこれが8割をしめ、女性がほとんどです。
出産の後や、40歳を過ぎたころから発症することが多く、股関節の痛みで足を引きずるようになり、長歩きができなくなります。お尻や太ももの痛みで始まることもあります。進行すると靴下が履きにくくなったり、足の長さが違ってきます。股関節や太ももの痛みを感じたら、整形外科を受診しましょう。赤ちゃんの時に股関節脱臼があった人はなおさらです。
この病気の初期では、進行予防のため急な動作をさけ、長歩きをしない、重たい物を持たない、体重を増やさないといった注意が大切です。この病気はゆっくり進行するので、注意を守り生活すれば一生仲良く付きあっていけることがほとんど。しかし、30〜40歳ごろ急に悪化することもあります。そのときは骨頭と臼蓋の関係を正常化する、臼蓋回転骨切り術が最近では行われており、病気の進行予防に非常に有効です。進行した方には、関節全体を人工の関節に変える人工関節置換術が必要です。

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関節リウマチ

理解し、根気よく付き合う

人は年齢を重ねるにつれて手足の関節が多少なりとも痛んできます。平均寿命が延びたために、膝や指先が痛くて変形してきたという方も増えてきました。多くの場合は変形性関節症と呼ばれる加齢性の変化ですが、時として関節リウマチ(以下リウマチ)という病気であることがあります。
リウマチの多くは、20〜60歳代の女性に発症し手足や手首が痛くて腫れるという症状で始まります。比較的年配の方にも見られますが、若い人にも起こる病気で、朝起きたときに手がこわばってコブシが握りにくいのが特徴的な症状と言えます。放置すると、関節が破壊されて動かなくなったり、変形を生じたりするほか、膝や肘、肩、股関節など大きな関節も侵されてきます。原因については、個人の体質と何らかの環境因子が関わって免疫異常を生じてくるためと判っています。しかし、真の原因はいまだに解明されていません。
慢性で多くは進行性の病気のため、不安や恐れを抱くのは当然です。しかし、早期からの適切な治療でリウマチの進行を抑えたり、コントロールすることは可能となっています。最近の薬の進歩は目覚しく、昔に比べると病状の経過もずいぶん良くなってきました。治療をしなければ痛みだけでなく徐々に関節の破壊を生じてきますので、初期の治療は大切です。
また、抗リウマチ剤やステロイド、消炎鎮痛剤など、治療上いろいろな薬を用いることが多いため、薬の副作用に対して不安を抱いている方も多いようです。副作用のない薬はありませんが、正しい理解と注意を怠らなければ大丈夫です。リウマチとの戦い、お付き合いは長期戦ですから、病気や薬に対して正しい理解をもつことが重要です。
さらにリウマチの治療は薬だけではありません。適度な安静と運動の組み合わせや、理学療法が重要な役割を果たします。また、関節の破壊が既に生じてしまった場合には、手術(人工関節置換術)を行う場合もあります。リウマチの診断と治療のためには、「骨と関節のお医者さん」である整形外科、またはリウマチ科を受診してください。

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成長痛(オスグッド病)

治療の原則は「安静」

Q「成長痛はどんな病気?」A・成長痛は正式にはオスグッド病と言われています。痛みの起こる場所は膝のお皿(膝蓋骨)の少し下の骨の出っ張り(脛骨粗面)です。この部位に痛みや腫れを起こす病気です。
Q「どんな人がなるの?」A・バレーボール、バスケットボール、サッカー、陸上競技などジャンプ、キック、ランニングが多いスポーツをする10代前半の子供に多く見られます。
Q「どうして痛くなるの?」A・すねには膝を伸ばす太ももの筋肉の末端であるスジ(膝蓋靭帯)がついています。スジがついている場所には軟骨があります。発育期の子供の骨はもともと幼弱です。スポーツで激しい膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、膝を伸ばす力が骨より強いために骨が剥離したり、軟骨に傷がつきます。そのため痛みが出たり腫れたり骨が飛び出したりします。
Q「オスグッド病といわれたら?」A・症状が軽ければ、日常生活は何をしてもかまいません。痛みが強いようならスポーツをお休みすれば痛みは楽になります。治療の原則は安静です。痛みが続くようなら整形外科を受診し、痛み止めのお薬を飲んだり、シップを張ったり、オスグッド用サポーターを着けましょう。太ももの筋肉のストレッチや練習後のアイシングも大切です。
放っておくと、痛みのためスポーツができなくなったり、骨が飛び出るので悪い病気では…と心配になります。しかし、2〜4ヶ月の安静で傷のついた骨が治ってしまえばスポーツが可能になります。ただし、膝の痛みを起こす病気は他にもありますので、整形外科で正しい診断を受けることが大事です。

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子どものけが(肘内障手指の骨折)

子どもの骨折はレントゲン撮影が必須

可愛い女の子がお母さんに抱かれて来院されました。話を聞くと、お姉ちゃんと遊んでいるとき手を引っ張られて左腕が痛いと泣き出し、腕が上がらなくなったとのこと。骨折するほどの力が働いていないので肘内障と考え、すぐに整復処置で正常の状態に戻しました。「もう直りましたよ」といっても女の子は初め恐がって腕を動かさなかったのですが、しばらくして「お母さんに抱きついてごらん」というと、しっかりとお母さんの首に抱きつきました。これで治ったのが確認でき、母子ともども機嫌よく帰られました。
肘内障は、まだ大きく成長できていない肘の骨が固定している靭帯から部分的にずれる現象で、成長すると自然に起こらなくなります。2〜5歳に発症し、以降、成長とともに見られなくなります。
また、この年齢の子どもは元気で走り回っていますので、転んで手を突いて肘を骨折することもあります。肘内障と骨折の区別のためレントゲン撮影のできる整形外科医を受診してください。
子供の骨は成長していますので、骨折しても少しずれてついても数年でまっすぐに治ります。自家矯正といいます。これが明らかになっているので子どもでは手術をあまりしません。しかし自家矯正も限度があり、関節に近い骨はきちんと直さないと後で変形が残って動きが悪くなることがあります。
スポーツが盛んになり、手や指の骨折も多くなっています。手指の骨は動きが大切なので、骨折整復後にナックルキャストという特殊なギブス(石黒法)を巻くと動かしながら治すことができます。ある程度動かせますので、その間あまり不自由を感じませんし、動かしながら骨癒合を待つとさらに整復や回復後の動きが良くなります。とにかく骨折は早期治療が大切です。

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捻挫と肉離れ

ほとんどは簡単に治るが、重症は別もの

「捻挫だけですか、骨は大丈夫ですね。良かった」患者さんからよく返ってくる言葉です。でもちょっと待ってください。皆さん捻挫を安易に考えていませんか?捻挫にも軽いものから、靭帯が切れる重いものまであります(靭帯=関節が異常な方向に動かぬよう、骨と骨の間に張ったロープのようなもの)。捻挫は関節に無理な力が加わり関節の袋や靭帯を傷めたケガです。捻挫でも重症のものでは治療が全くちがってきますので正確な診断が必要です。軽い捻挫だろうと自己判断したり、適切な診断を受けず間違った治療をすると、関節のゆるみが残り捻挫を繰り返したり、関節の痛み(関節症)が残ります。
日常よく見かけるのは足首の捻挫で、スポーツでよく発生jします。靭帯断裂の有る無しは、痛みや腫れだけでは判断しにくいため、関節にひねりの力を加えてレントゲンを撮り、診断します。敬称の多くは自然に治ります。痛みや腫れがひどくても靭帯断裂がなければテーピングやサポーターで関節の安静を保つと2週間くらいで軽快します。しかし、靭帯断裂があればギブスや装具での固定が不可欠です。活動性が高い人やスポーツ選手では手術をすることもあります。
肉離れは急に引き伸ばされ、筋繊維の一部が伸びたり切れたりするけがです。ふくらはぎや太ももの筋肉によく起こります。軽症なら冷やしたり圧迫して治療しますが、パンパンに腫れたら筋繊維が幅広く切れた重症です。筋肉の中に血液が留まり、放置すると瘢痕を残し切れやすくなるので、血液を抜き取ります。ほとんどの場合、問題なく治る捻挫や肉離れですが、重症の場合は別ものです。整形外科で適切な治療を受けてください。

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